ヨガニードラとアサナの役割
2018.03.24
アサナだけがヨガではないけれど、アサナの役割はとても大きいものです
『ヨガニードラの練習は、アサナの後に行うことが理想的』。
ヨガニードラを考案したスワミ サティヤナンダ氏の『Yoga Nidra』という本には、そう記されています。
ヨガニードラは「リラクゼーションを促すヨガ」として認知されているため、ニードラのクラスではアサナを行わないと思われることも多いようです。
現に私のヨガニードラのクラスに初めて来た方から「意外に動きが多くて驚きました!」という感想をいただくことも少なくありません。
「リラックス=動かない」という方程式が一般的なのでしょう。
しかしながらヨガニードラで定義しているリラクゼーションは、それほど受動的なものではないのです。
自分の力でリラックスを手にする
ヨガニードラでリラクゼーションに向かう意識は、積極的で能動的なもの。
リラクゼーションへ向かうために講師のガイドに身を委ねつつも、自分の力で意識を覚醒させて方個性を定め、積極的な内側への働きかけを必要とするからです。
ではなぜ、ヨガニードラの練習にはアサナが必要なのでしょうか?
まずひとつめには、「アサナで肉体の緊張を解放したい」からです。
ヨガニードラの目的は、身体よりも奥深い、自分自身の内側の緊張を解放することにあります。
奥深い部分とは、アンナマヤコーシャという目に見える定義よりも奥、心や感情、無意識といった、目に見えないけれど存在しているコーシャの領域です。
そのような深部の緊張を解放するためにはまず、肉体の緊張を解放する必要があります。
アサナによる肉体の緊張の解放は、その後に続く微細な身体の浄化の手助けをしてくれるのです。
見えないところへ働きかける
そしてふたつ目が「プラティヤハラへの準備」として働きです。
ヨガニードラの練習は、パタンジャリの『ヨガスートラ』にあげられている「八支則」におけるプラティヤハラ(感覚を制御していく)の練習でもあります。
アサナは肉体、感覚、意識を自動的に、このプラティヤハラへと導いてくれるもの。
アサナが瞑想の準備として大切であるように、ヨガニードラの練習の土台を作ってくれるのもアサナなのです。
「一見横になっているだけ」に見えるヨガニードラの練習ですが、その奥はとても深いもの。
単なるセラピーとしての役割や、リラクゼーションを求めるだけではなく、ヨガの練習として捉え、アサナや瞑想との関連をしっかりと見つめていくことが大切です。
ぜひ、ヨガニードラをヨガの練習の一貫として捉えてみて下さい。
そして簡単でもいいので、アサナの練習の後に実践してみて下さい。
日常的にヨガニードラの練習を取り入れることで、アサナや瞑想の練習にも、輝くような新たな気付きをもたらしてくれることでしょう。