瞑想で超集中力「ゾーン」の力を引き出す
2015.08.05
テニスの錦織選手が、一躍ランキングの上位に躍り出たウィンブルドンの試合を記憶している人も多いでしょう。アスリートの多くが緊張と身体を使うことの狭間で試合をしています。アスリートでなくても、人は緊張の中でベストパフォーマンスを求められて生活していることが多いもの。
あと1時間で重要書類を作成しなければならない、あと3分で駅に着かないと電車に間に合わない・・スポーツの世界だけでなくても追い込まれることはあります。そんな少し無理そうに思えることが、なぜかすべてクリアできる瞬間、ありませんか? この瞬間が「ゾーン」入った瞬間です。
超集中力を発揮する瞬間を創りだす
「ゾーン」とは理想的な心理状態で、ベストパフォーマンスを引き出せる状況のこと。緊張や興奮が低くても、諦めや投げやりになってしまうためマイナスのパフォーマンスに、そして緊張興奮レベルが高すぎても、焦りや力みが生じて自分をコントロールできなくなります。
実は「ゾーン」に入ることは強いメンタルトレーニングです。ゾーンに入ると脳の基礎体力が上がっていきます。ストレス耐性が上がり、心の免疫力がつくのです。また状況判断力を鍛えられるため、意思決定力が向上します。これは心の知能指数EQを上げることにもつながります。
自分が「できる」「やれる」と感じた行動をターゲットとし、逃げることなく「やり切る」と決めるのです。「やり切る」と決めると、邪念がなく、澄み渡って落ち着いた心の状態になりますから、強い幸福感さえ覚えます。これは脳内の神経伝達物質「エンドルフィン」が分泌されることによる影響です。
「ゾーン」に入るためには、過去にやったこともないような行動をターゲットにすることです。理不尽なプレッシャーはいけませんが、短い時間の中で脳の回転数を極限まで引き上げることでゾーンに入ります。「無理だな」という思考があれば、まだゾーンに入っていません。
メンタルトレーニングとしての瞑想
無理難題を抱えたとしても「やり切る」という決意があると自動的に発動されます。感覚が研ぎ澄まされ脳に雑音が入らなくなり「気が付いたら達成している」となれば、ゾーンに入っていた状態。深い瞑想もこれと同じ原理を持っていると考えられています。
「ゾーン」の状態である瞬間が、瞑想の状態に非常に近いのです。深い瞑想の状態に入ると、集中・没頭し、雑念がなく、時間間隔が喪失していきます。人によっては、高揚感や全能感、調和・一体感などを味わうこともあります。これらは「ゾーン」に入っているときの感覚に似ています。
このように「ゾーン」は才能には関係なく、瞑想の練習をすることでも創り出せます。アスリートや経営者といった強いプレッシャーを感じる人たちの間で座禅や瞑想が推奨されるのは、こうした「ゾーン」に入る力を得ることでピンチから脱するためなのです。
瞑想を練習することで、ぜひピンチに使える「ゾーン」の力を手にれてください。