ヨガスタジオの人間らしい守り神・ガネーシャ
2015.08.03
ヨガスタジオでよく象の置き物に出逢うことはありませんか? Plesureでは2体の象の置き物がありますが、そのどちらもただの置き物ではありません。祈りを捧げられたインドの神様「ガネーシャ|गणेश, gaNeza」です。ガネーシャはヒンドゥー教の神様。「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」の名前の通り、大衆に大人気の神様です。愛称として「ガナパティ|गणपति, gaNapati」と呼ばれることもあります。
ガネーシャは頭が象で、乗り物はネズミ。太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもち、4本の腕をもつ。障害を取り去り、財産をもたらすといわれ、事業開始や商業の神、また学問の神とされています。世界で最初のヨガをする人・ヨギであったシヴァ神の息子であることと、ヨガを学ぶたくさんの人を見守る学問の神としての役割により、多くのスタジオでそれぞれのガネーシャがお祭りされているのです。
ほかにもシヴァ神やパールヴァティやサラスワティといった女神の像がおいてあることもあるでしょう。とはいえヨガは宗教ではありません。それでも神像が置かれているのは、実質的な修行を考え出したシヴァ神への敬意や、ヨガそのものを育んできたインドへの敬意を表すものでもあるかもしれません。
インドの人間らしい神様たち
ヨガの学びの中でインドの神々を学ぶことがありますが、中でもこの最初のヨギ・シヴァ神のファミリーはとっても愉快な家族。ガネーシャは母性愛と優しさの象徴としても名高い女神パールヴァティーの息子。シヴァの息子というにはちょっとその出生が不思議。
ガネーシャは、夫シヴァ神が外出中に、パールヴァティーが身体の汚れを集めて作った人形に命を吹き込んで、自分の子供としたのが生まれ。元はちゃんと普通に人の頭がついていたんだそうです。ある日パールヴァティーの命令で、ガネーシャが浴室の見張りをしていると、長い旅からシヴァが帰還。シヴァに逢うのが初めてのガネーシャは、父とも偉大な神とも知らず、パールヴァティーのいる館への入室を阻んだのです。シヴァも同じようにガネーシャとは初対面。怒り狂ったシヴァは、息子とは知らずに首を切り落とし、遠くへ投げ捨ててしまいます。
浴室から出てきたパールヴァティーに会って初めて自分の子供だと知ったシヴァ。我が子を失って悲しむパールヴァティーのためにも、投げ捨てたガネーシャの頭を探しに西に向かって旅立ちますが、見つけることができなかったのです。そこで旅の最初に出会った象の首を切り落として持ち帰り、ガネーシャの頭として取り付け復活させました。これが、ガネーシャが象の頭である由来です。
Plesureにいる2体のガネーシャも、可愛らしい象のお顔です。それにしても旅に出たり怒り狂ったり、なんだかとても人間らしい神様だと思いませんか。インドの神様は皆、なぜかとても人間らしい神話をそれぞれに持っています。そしてそのお話しの中には、たくさんのヨガ的な学びが詰まっていたりします。こんな人間らしい神様だったからこそ、この世をより良く生きていくヨガを生み出す原動力となったのかもしれません。