ヨガで夏の疲れを癒し始める合図・処暑
2015.08.23
ヨガをしていると季節に少しだけ敏感になりますね。自分の身体を通して感じる呼吸や肌で感じる空気が、ほんの少し気づきを連れてきてくれるのかもしれません。もしかしたらそれ以上に、美味しい季節の食べ物に気づきやすくなるからかもしれません。
日本の伝統的暦からみる、秋の気配
今日8月23日は二十四節気の『処暑』の始まり。ここから9月頭にかけての、暑さが終盤となる始まりを意味しています。処暑の「処」は落ち着くという意味。立秋を迎え暑さも一段落し、少し収まってくる時期、という意味なのです。厳しい暑さの峠を一山越し、朝夕には少しずつ涼しい風が吹き始めてホッとする時間が増えてきます。山あいでは萩の花が咲き、栗や穀物が実り始め、早朝に白い露が降り、より近い秋の気配を感じるでしょう。かすかに聞こえてくる虫の音に秋の気配を感じたり、ちょっとメランコリックな寂しい気分になることも。
いかにも秋が近づいてくる雰囲気ですが、実は1年の内で最高気温を出すのは立秋から処暑あたりまでが最も多いのです。まだまだ日中の厳しい暑さは残っています。そして朝晩と日中の温度差や、夏の間のクーラーによる冷えや冷たいものの飲み過ぎ食べ過ぎ、睡眠不足など、これまで夏にはしゃぎ過ぎた人にはちょっと厳しい季節。
夏の暑さに体力が弱っていて、どっと疲れの出る時期でもあります。夏バテや食中毒にかかりやすく、まだまだ注意が必要。またこの時期は年に二度目の台風シーズン。台風襲来の特異日が集中しているのもこの頃です。日に日に暑さが和らぎ過ごしやすくなりますが、体がだるい、おなかの調子が悪いなど、ちょっとした体調不良も多いので、栄養と休養を十分にとるよう心がけましょう。
残暑の涼しい過ごし方と気をつけるべきこと
処暑は、各地で秋祭りが開かれる合図でもあります。農作物が実り、収穫祭など行われる一方で、台風などの天災に気をつけなければならない、農家の人たちにとって最後の踏ん張りどころなのです。秋祭りは農作物が無事に収穫できたことを神々に感謝する行事。美味しい収穫したての野菜を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
また江戸時代から処暑の頃には、夕方の涼風を利用して夕涼みが楽しまれるようになりました。川に屋形船を浮かべたり、河原を利用して床をもうけた河原床などを引いたりと、ようやくやってきた涼しさを楽しみました。一方、家の中では、夏の家具や雑貨を片づけ、秋の準備を始めました。
自然界に合わせ、人の身体の内のエネルギーも変わっていく時期といわれています。こんな風に季節も身体も大きな変動がやってくる時期、ヨガも無理は禁物です。自分のアサナや生活をもう一度見直し、もう一度、安全で安定したゆったりとしたアサナを心がけ、夏の疲れを癒しましょう。特に注意したいのは睡眠時間。アーユルヴェーダの体質診断がヴァータの方は特に睡眠時間の確保をに心がけてください。上手に夏の疲れを手放し、軽やかに秋を迎えましょう。