私たちは単なる物理的な存在ではありません。私たちの周囲にはオーロラのような虹、あるいは輝く光のように説明されることの多い、拍動するエネルギー体が存在します。このエネルギー体は私たちの物理的な身体と相互に作用しあっています。ヨガの中ではこのエネルギー体を、サンスクリット語で「光の輪」をあらわす「チャクラ」として知られています。このエネルギーは周囲から体に流れるプラーナ、呼吸のエネルギーを基としています。

チャクラは私たちの肉体と魂の結びつきを象徴するものであり、体内を流れるエネルギーをコントロールするものです。身体の中心に沿って7つあるチャクラは、それぞれの身体の部分や感覚器官に繋がっています。チャクラは7つ、それぞれのチャクラに対応する色や形、音、香りや石などがあり、それらによってバランスを整えることができます。チャクラのバランスが整うと、身体も心も健康な状態になります。

ヨガに基づいた生活をしていると、徐々に活性化されていき、意識を集中するとチャクラのある場所に、振動のようなものや、熱を感じられるようになります。この「感じること」がとても大切で、私たちの世界は目に見えないエネルギーによって生かされているのだ、という実感と共に、穏やかなマインドになることで、全てに対する感謝の気持ちが現れるでしょう。

日常で感じるチャクラ

人それぞれ、チャクラの感じ方は違うと思うので、これは私の主観になりますが、いくつか例をあげてみます。日常生活の中で私が特に感じるのは、アナハタチャクラです。アナハタチャクラは胸の真ん中にあり、ハートチャクラと呼ばれている、愛情や思いやりを司るチャクラです。このチャクラは、動物との触れ合いによって、開いていく感覚になります。

私は猫と一緒に暮らしているのですが、猫を抱きしめると、体温の温かさとは別に、内側からのあたたかさを胸のあたりに感じます。このとき、猫の愛情がはっきりと感じることができ、魂と魂のつながりを感じます。これは猫だけではなく、他の動物や、植物でも同じように感じることができます。

また、第3の目の場所にあり、第6感を司るといわれるアジュナチャクラも、感じやすいです。アジュナチャクラは、瞑想をしているときに感じやすくなります。意識が内側に集中してくると、アジュナチャクラのあたりがムズムズしてきます。そして、さらに集中を続けると、自分と周りの境界線がよくわからなくなるような感覚になってきます。自分自身の肉体の感覚ではなく、魂がはっきりと感じられるのです。

ヨガはこのチャクラに良いエネルギーを送り込み、不要なエネルギーを排出し、また正しくチャクラを育むことができます。チャクラは体の内分泌にかかわり、リンパ系を相互に作用しています。私たちのホリスティックな健康のためにも、また体調不良や病気の予防のためにも必要不可欠なほど重要なものなのです。