ヴィーナスヨガ ―自然との調和を築くために必要なもの
2017.12.23
written by MAYO:山口 真世 br>
シヴァニは幸せの本質を表現して生きている、私に、新しい道を教えてくれた人です。
ヴィーナスヨガと聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
美しさの象徴としての女神ヴィーナスから、女性の為の骨盤周りをケアするヨガや、リンパマッサージをするヨガを最初想像した方も多いのではないでしょうか。
ヴィーナスヨガの創始者のセーラ・シヴァニはシドニーで活動しているヨガ講師で、気功の正式資格を持つマッサージセラピストでもあります。
自身の持病であった背骨の痛み・喘息などの痛みや悩みを、ヨガを通して緩和した経験の持ち主です。
今は、自然に基づくホリスティックな健康プログラム作りを専門としています。
セーラはインド、中国、そして日本においてヨガを学びました。
そして身体を尊ぶもとでもあるタントラヨガと、東洋の陰陽を扱う気功の大元タオを融合させ、新たなヨガを創り出していきました。
自然界のバランスを見出していく
タントラでもタオでも大切なのは、二極性のバランスと宇宙に馴染む力です。
宇宙の法則とは、自然の普遍的法則でもあります。
その中にある、美や真実をはっきりと見つめていくためのものです。
ヴィーナスヨガはタントラとタオを融合させ、内側を慈しみながら外側へと愛を伝える「女性性」を目覚めさせるヨガの姿です。
そして現在の男性的なエネルギーに偏った世界への、警鐘のヨガともいえるでしょう。
私が沖縄で受けたセーラのトレーニングの中でいつも印象的だったのは「場の美しさ」でした。
円になるように配置されたマットの中心に、美しいチャクラカラーの丸いクロスが敷かれ、それを取り囲むようにトレーニングしていたことを思い出します。
こうして円形になることも、「女性性」への大切な働きかけです。
女性性と男性性の違い
女性は男性に比べて古来から集団で協力して過ごしていました。
男性に比べ、女性の脳は仲間との繋がりを大事にするようです。
それは男性によりも力の弱い、女性の知恵なのです。
女性の脳は、男性が言葉や理論で理解するのと対照的に、色や形、触感で理解します。
女性がカラフルなものやフワフワしたものに惹かれたり、女子会好きなのもその為です。
アシュタンガヨガを練習したことがあるでしょうか。
私はアシュタンガヨガを指導者養成のときから2年程練習し、もちろんアシュタンガヨガの指導者養成コースも受講しました。
アシュタンガヨガはとても男性的なヨガです。
アシュタンガヨガでは、アサナの中で視点や呼吸の数、アサナの順番などがすべて「決まって」いるのです。
そしてその中でただひとりで、どんどん難易度の高いアサナへ向かって突き進んでゆく。
まるで今の社会の縮図のようです。
世界の「輪/和」を築くために必要なもの
この対極にあるのがヴィーナスヨガではないでしょうか。
アシュタンガヨガを長く学んだ私にとって、ヴィーナスヨガはとても革新的で衝撃的だったのです。
ヴィーナスヨガでは、声や手の暖かさという、自分自身が持つツールを「触れる」ことに使います。
「輪」を保つ、より良い人間性に欠かせない事柄・・・それは女性性に基づく、柔らかな受け入れる力でもあります。
今こそ、男性的なヨガのやり方を変えて、女性性を目覚めさせるときなのかもしれません。