ジヴァムクティヨガ ―『偉大なるクリシュナへの献身』
2017.08.07
今回は、シャム ダスによる一章。タイトルは「偉大なるクリシュナへの献身」。
シャム ダスはジヴァムクティヨガの創始者のひとりシャロン ギャンノンの友人で、キルタンミュージシャンとして活躍しました。この一章はシャロンによって選ばれました。
シャム ダスが他界した今も、彼の音楽は私たちにヨガとは何かを伝えてくれます。
私もシャム ダスの音楽を良く聞きます。緊張する場面の前、慣れない場所に居るときなど、よくシャム ダスの音楽を繰り返し何度も聞きます。
『献身』を捧げるという実践
キルタンミュージシャンの多くは「バクタ」として知られています。バクタとはバクティヨガを実践している人のこと。
バクティとは献身を意味します。献身に重きを置いてヨガの実践をしている人を「バクタ」ということが出来るでしょう。
「クリシュナ」はヨガの書物『バガバッドギーター』に出てくる人物です。彼はそこで「人物」として描かれていますが、恐らくクリシュナの「性質」を理解するために、人が智慧を絞って人物として描き出したのでしょう。
シャム ダスは、クリシュナのことをこのように言っています。
『クリシュナは自然の原始であり、最高の存在です。クリシュの語源は〈存在〉。ナの語源は〈至福〉。偉大なるクリシュナは、すべての魅力の存在です』
すべての魅力がクリシュナ。そしてその魅力とは、原始的な自然…そして至福、という「性質」を持っています。
どこへどのように『献身』を捧げるのか?
実は私たちは皆、この「性質」を持って生まれてきているのです。「クリシュナに献身を捧げる」ということは、私たちが既に持っているこの「性質」へ献身を捧げるということなのです。
バクタであるキルタンミュージシャンたちは、キルタンを通して、この偉大なるクリシュナへの献身を捧げ、彼らのヨガを実践しているのです。< /p>
ジヴァムクティヨガではヨガを学ぶ上で「ナダム」を大切な要素としています。ナダムとは音のこと。音のヨガをナダヨガともいいます。
ナダムを大切にしているのは、聴くことが聞くことになり、聞くことが知ることになり、知ることが成ることになり、成ることがその存在になるからです。
音はバイブレーションを産みだします。私たちはそのバイブレーションを聴く(感じる)のです。
書物の中でクリシュナはダンサーであり、プレイヤーであり、アクターであり、夫であり、牛飼いであり、友人であり、恋人であり、笛吹きである存在として描かれています。彼はあまりにも魅力的なので、彼に出会った人は彼を忘れられないのです。
ヨガは実践あればこそ。ヨガの哲学に触れていくと、たまにこんな質問を受けます。
ヨガは宗教と関係があるのですか?
私は、この質問を受けるといつも思うのですが、では、宗教とは何ですか?ということ。そして「ヨガは宗教とは違う」ということ。これはシャロン先生も言っています。
ヨガは実践です。
どうでしたか?
ヨガには沢山の学びがありますね。