健康の要。身体と心を繋ぐ呼吸のお話
2017.04.12
written by MAYO:山口 真代 br>
自分の身体を使って、自分の身体を知ることが、人生を輝かせる近道です。
ヨガでは呼吸が一番大事。
私が好きなヨガの教えのひとつが「呼吸ができるものであれば 誰でもヨガが出来る」というもの。この言葉があるくらい、ヨガを練習する上で『呼吸』は大事なことなのだ。
ヨガを始めたばかりの人にとって、呼吸を意識し、それに合わせて身体を動かすのは、簡単そうに見えて意外と難しい。
私もヨガを始めたときには、先生の動きに合わせて動くので精一杯。呼吸なんて意識する余裕は無かった記憶がある。
呼吸が苦しそうな人を見ていると、3つの特徴がある。背中が丸まっていることと、肩が緊張していること。そして苦しそうに眉間にしわを寄せた顔をしていること。これは見ているだけでも、とても心苦しい。
姿勢を保つ全身の筋肉が弱く、重たい頭を首肩だけで支えてしまい、胸が押しつぶされ、自由な呼吸ができなくなる。つまり気持ち良くないので苦しい顔をしているのだ。
どうしたら呼吸を意識し続けることができる?
ヨガを始めたばかりの人や筋力のないシニアなら、仰向けに寝た状態で呼吸を意識してもらう方が気持ちがよく、呼吸に集中してもらいやすい。
もしくはお腹を動かす腹式呼吸の練習であれば、うつ伏せで練習することもおすすめだ。
床に腹這いになることでお腹の動きをより感じやすくなり、クラスを受けることに緊張していても、顔を下に向けているだけでリラックスできる。
呼吸に意識を向けているだけで、どんどんリラックスし伸びやかに呼吸が深まっていき、身体が解放される感覚をぜひ味わってほしいと思っている。
実際に呼吸が深まってくると身体はよく動く。呼吸には体幹の筋肉が深く関わっている。呼吸と身体は切っても切り離せない間柄なのだ。
呼吸に繋がっているもの
私たちの存在は、ただこの肉体だけではない。私たちの肉体は「心」や「魂」、「霊性」など目に見えない存在の容れ物なのだ。
普段の生活で自分のスピリチュアルな部分をどれだけケアしてあげられるだろうか。仕事や家事、家族のこと、友達やパートナーのこと…気になることが多すぎて、二の次になっているのではないだろうか?
私も以前はそうだった。するとどうなるか?病気になるのである。
私がよくクラスで話している「ヨガでいう病気とは、身体と心がバラバラの状態である」という言葉。
身体が病気の状態でも、心がそれにしっかりと寄り添えれば、その人は健康であり、身体が元気な人でも心が不安定であれば、いつか不健康な状態になってしまう。
あっという間に時間が経ってしまうくらい楽しいとき、叫びたいくらい嬉しいとき、うっとりするくらい幸せに浸っているとき…
あたなの呼吸は深まり、穏やかで身体に不自由も感じないはずである。
反対に泣きそうなくらい悲しいとき、顔が歪むくらい苦しいとき、もう笑うこともできないんじゃないかと絶望しているとき…
あなたの呼吸は浅くて弱々しく、下を向いてうなだれているはずだ。
身体と心を繋げている呼吸。それをしっかり感じていくことを練習し、呼吸を深めて穏やかにする身体の使い方、コントロールのコツを自分のものにできれば健康になれるのだ。
ヨガだからこそ手に入れられるもの
ヨガの目的は人それぞれだろう。ダイエット、姿勢改善、ストレス解消等々。けれどそれら先には根本的に共通することがある。みんな健康になりたいのだ。不健康になりたくてヨガをする人を私は聞いたことはない。
そしてそのためには、ヨガのポーズをただただ練習しているのではなく、呼吸を学び、身体と心のパランスをとることだ。
2つの歩調をあわせて一歩一歩、味わいながらヨガを楽しんで欲しいと願っている。