シャバアサナとヨガニードラで八支則を学ぶ
2017.03.29
ヨガニードラの指導を始めて2年目。まだまだたくさんの可能性を秘めていると思います。是非一度体験してください。
一番心地良いアサナって…皆さんはなんでしょうか?実は私は断然『シャバアサナ』! 究極のリラクゼーション、最も難しいアサナ、などと呼ばれている、ハタヨガクラスでは必ず最後にとるアサナのひとつです。
シャバアサナで重要なことは、身体をニュートラルな位置に保つこと。腕や脚、胴体全体はもちろん顔全体の筋肉、眉と眉の間、そして内側の舌や顎、耳の中、目玉を支える筋肉に至るまで力を抜き、脳を緩めていきます。
こうしてゆったりと大地に身体をゆだね、その重力だけを感じ、身体的に静かになっていきます。そして感覚器官…つまり五感までもが静かな湖面のようになっていくことを目指すのです。こうしてヨガの真髄でもある、瞑想に近づいていくのですね。
ところが悲しいかな、穏やかに大地に横になっていても心はアチコチにふらりふらり。「あー、気持ち良いな〜」ということに心が囚われたり、場合によっては「このあとどうしよう?夕飯は?」なんて考えているかもしれません。
こんな風にシャバアサナであちこちに心が動いてしまうのを、マインドの暴走…エンターテインしている状態などと呼ぶことがあります。これでは瞑想に近づくよりも遠ざかってしまっています。
こんな時こそ、『ヨガニードラ』の練習をしていきましょう!
心を静かに静め、コントロールしていく「プラティヤハーラ」
『ヨガニードラ』はシャバアサナの状態から入る誘導瞑想のひとつ。ニードラとは「眠り」の意味。シャバアサナの状態から身体は全く動かさず、マインドに働きかけていくヨガのテクニックです。
このテクニックでは、あちこちに動き回る心の動きをひとつの場所に留めることを容易にします。エンターテインする意識と心を捕まえ、ひとつのところに置きどころを見つけてあげるのです。
こうして心と意識を留め、少しずつ穏やかに静かな状態を創り出します。ヨガニードラは『八支則』の「プラティヤハーラ」や「ダーラナ」の練習でもあるのです。
多くの人がアサナやプラーナヤマの練習をハタヨガの中でしていることでしょう。しかしその中でハッキリとプラティヤハーラやダーラナの練習に取り組んだことはあるでしょうか。
確かに「眠り」の言葉通り、眠ってしまうこともあるかもしれません。けれどそれは、自分自身からの信号のひとつ。身体が疲れていれば人は眠ってしまうものです。同じように、マインドが疲れ果てていても、ヨガニードラの最中眠ってしまうことでしょう。
もし『ヨガニードラ』が単なるリラクゼーションや寝てるだけ…というイメージで上手く使えてない人は、もう一歩進んだ練習を創り出して行きましょう。ヨガニードラもヨガのプラクティスのひとつです。一朝一夕にアサナを取ることができないように、ヨガニードラも練習していく中で、自分の身体と向き合うための素晴らしい時間を授けてくれるのです。